第○条
(目的) |
※契約の目的を明示する。 |
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契約の目的の明示の仕方は、両当事者における各々の債務の履行の方法、契約の形態を表示することとなります。 |
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第○条
(販売の目的物) |
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販売を委託するにあたって、その委託目的物を特定する必要がある。販売委託の目的物を特定しなければ、権限がないにも関わらず、勝手に販売をする途を許してしまい、かえって表見代理などの法律構成により、不当な法律効果が販売委託者に生じかねないからである。
もっとも、この販売委託における目的物の指定や、契約内容によっては、代理店契約や、特約店契約など、販売委託形態が様々なものとなることがある。 |
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第○条
(報酬) |
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販売委託による対価を定める。1個の販売につき、報酬額を定める場合もあれば、販売の個数が一定数に達するごとに、報酬額の基準が異なるように報酬額を設定することができる。 |
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第○条(支払方法) |
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支払方法については、支払場所、支払時期、支払い条件、などなど、契約の内容に応じて、様々な方法がある。例えば、販売する目的物に対する売買契約が成立した時点で報酬が発生する場合もあれば、毎月定められた日を報酬の算定基準日として、その日までの販売個数による報酬支払をする場合などがある。 |
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第○条(商品の購入) |
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販売商品については、購入することを前提とする場合もあるし、単に仲介のように、商品自体を購入することなく、委託者へ購入者を紹介したり、委託者と購入者との間の契約を委託者に変わって契約する場合がある。
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なお、販売委託契約書においては、受託者と委託者との契約当事者の関係が、特定商取引法の取引に該当する場合があり、その規制の対象となることがある。その場合には、契約書内に特定商取引法が要求している内容を記載しておくことが必要となる。 |
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第○条(所有権移転) |
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供給物の所有権が何時の時点で注文者に移転するかということが、危険負担等の問題と相まって問題となります。納品書等の取扱も問題となります。 |
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第○条(瑕疵担保責任) |
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販売委託物に瑕疵があった場合に、誰が責任を取るかを事前に決めておくことが必要となる。例えば、化粧品の販売委託の場合において、受託者が購入者を見つけ、販売したが、その目的物である化粧品が欠陥商品であったため、購入者に皮膚炎が生じたような場合において、その欠陥商品自体の損害について、どう責任を取るかを決めておく必要がある。
また、欠陥商品から損害が生じた場合には、その損害についてまで責任を負うかが、下記の損害賠償責任の規定で問題となる。なお、無過失責任として、どこまで責任を販売委託者側が責任を負うかも問題となる。 |
第○条(損害賠償) |
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損害賠償規定は、この規定がなくても、日本民法に従う場合には、当然日本民法の損害賠償規定が適用されることとなります。そのため、特に契約書内に損害賠償の規定を書く必要がないとも思われます。
特に販売目的物が、委託者及び受託者による故意過失によらず、購入者である第三者に損害を生じさせたときなど、損害賠償請求について別途定めておく必要がある。 |
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第○条(機密保持) |
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機密保持については、当該販売目的物に関して受託者が知りうる機密事項や、販売委託契約書自体において秘密とする事項が含まれることがあります。機密保持は販売委託をスムーズにするために必要な事項となります。 |
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第○条(競合行為の禁止) |
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販売委託を受けた場合において、他の類似業者からさらに販売委託を受けるような場合においては、競合他社の製品の販売委託をするため、委託者にとっては極めて不利益となる恐れがある。そこで、競合行為を禁止した。なお独占的取引の禁止に関して、独禁法に違反する可能性がある。 |
第○条(契約解除) |
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契約解除については、供給関係にあることから、どの事情が生じたときに契約を解除できるかを定めることになります。
契約を継続しがたい事情が生じる場合は様々ありますが、どのような事情のときに解除ができるかは、供給契約主体、供給目的物や、供給により何を実現しようとするかによっても異なってくるため、個別考えることが必要となってきます。
契約においては、契約解除ができるかどうかが、契約当事者にとって極めて重要な部分となります。
また、契約解除に当たり、催告を必要とするかも、当事者の立場により異なってきます。
さらに、個別契約の解消との関係についても配慮しなければなりません。 |
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第○条(有効期間) |
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契約の有効期間については、定型のものが一般的です。但し、個別契約と本契約との有効期間が交錯するときにどのように対応するかを明文化しておくことも必要でしょう。 |
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第○条(準拠法) |
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準拠法とは、本契約に解釈及び適用される法律がどこの国の法律によるかということを合意により示すものです。
明文で定めることにより、その国の法律を適用することができる点で、外国との取引においては、大変重要なものとなってきます。
例えば、同じような言葉であっても、国が異なればその言葉により意味しているものが異なる場合があるし、解釈に影響を与えることもあります。また日本のような制定法国と異なり、判例を重視するアメリカなどでは、契約においても、契約書に書いていないものについては、法律による補充によらず、書いていないものとみなされることとなります。したがってどこの法律によるかにより、当事者が予想する契約内容や効果が異なってくることとなります。
特に販売委託契約においては、海外のブランド製品や、海外の珍しい商品を日本で始めて販売する場合など、この準拠法をどこにするかに気をつける必要がある。
例えば、アメリカの州法によるとすると、販売委託によりトラブルが生じた場合には、損害賠償責任の範囲も懲罰的な賠償責任として、日本では考えられない損害額の請求を受けることとなりかねない。 |
第○条(協議) |
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協議は必ず、明文で規定しておきましょう。日本では、訴訟を好まない国であるため、お互いの協議で終結する場合には、あえて裁判上の請求等をする必要がないからです。訴訟経済上も望ましいといえます。 |
第○条(合意管轄) |
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合意管轄については、準拠法において、どこの法律が適用されるのかという問題とは異なり、適用される法律が同じであっても、その紛争をどこの裁判所で解決すべきかなのかという点について、定めるものです。合意により管轄権を定めておくということは、将来の紛争が生じることを前提としているため、取引関係の良好な当事者間では、成るべく敬遠したい条文であるけれども、万が一紛争が生じた際には、通らなければならない問題であるため、この合意管轄権を定めておくことが必要です。 |
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