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譲渡担保契約     戻る<<

 譲渡担保契約には、不動産譲渡担保契約と動産譲渡担保契約、債権譲渡担保契約がありますが、どれも民法上明文がありません。
動産譲渡担保契約においては、@担保目的物の所有権を債権者に移転する、A担保設定者が債権者から目的物を譲り受けて使用し、B弁済期に被担保債務を弁済しなければ、目的物を債権者に現実に引き渡すこと、C目的物の引渡しを受けた債権者はこれを適正評価あるいは任意処分した代金を債務に充当し、残額があればこれを精算金として債務者に返還することとなります。
これに対して不動産譲渡担保契約は、売渡担保ともいい、買戻しの特約をつけて一定期間に買い戻す方法と、再売買を予約し、売主が予約権者として一定の期間に再売買代金を支払って売買完結の意思表示により物件を取り戻す方法とがあります。不動産譲渡担保は、形上所有権を譲渡するが通常、売主から目的不動産を借りて引き続き使用するのが通常です。
譲渡担保契約には、集合物譲渡担保契約があり、集合物に関して所在場所、種類、数量等を明示して、譲渡担保契約を締結する場合がある。
第○条
  (目的)
※契約の目的を明示する。
  動産譲渡担保契約では、占有改定により本件動産を引き渡すこととなります。また不動産においては、その被担保債務である代金債務で売り渡すこととなります。債権譲渡担保契約は、債権について債権譲渡の手続きを踏むこととなります。
第○条
  (被担保債権の内容)
 被担保債権については、契約種類、契約日、貸付金額、貸し付け条件、利息、損害金等を定めることが必要です。
第○条
  (保管)
  被担保債権の目的物である動産、不動産は、善良なる管理者の注意義務により保管することが必要となります。
また、譲渡担保には特に動産においては、占有改定だけでは、公示力が弱いため、標識などネームプレートを添付することなどを明記する必要があります。
第○条(禁止事項)
  譲渡担保契約の性質上、形式的に所有権を相手方に移しつつ、使用収益権を条件付で、債務者のもとにとどめているため、債務者が処分行為のほか債権者を害する行為をすることを禁止する必要がある。
第○条(所有権移転)
 弁済期に弁済があったときに、所有権は債務者の下に移転することとなる。債務者が履行遅滞した場合には、任意に売却して弁済充当して清算手続きを取ることとなります。
第○条(使用貸借) 譲渡担保により、目的物の所有権を移転した側は、当該目的物を使用収益する権限はあるが、その間の使用権限については、使用貸借の合意をするほかないこととなるため、その旨の規定が必要となります。なお、その際の無償といえるかについては、若干問題となることがあります。
第○条(使用貸借契約の解除)
使用貸借権について、使用借主という立場に立つ側に生じた事由により契約を解約することができる旨の規定を設けることが必要となります。
第○条(費用負担)
費用負担について例えば、補修費、維持費等の負担について定めることが必要となります。
第○条(本登記)
不動産譲渡担保について、仮登記をなして行なった場合には、仮登記から本登記をする手続きを定めることが必要となる。
第○条(協議)
協議は必ず、明文で規定しておきましょう。日本では、訴訟を好まない国であるため、お互いの協議で終結する場合には、あえて裁判上の請求等をする必要がないからです。訴訟経済上も望ましいといえます。
第○条(合意管轄)
貸主又は借主のいずれかの所在地を管轄する裁判所を管轄裁判所といいます。管轄がどこかにより、仮に裁判上の請求をする場合において、どこの裁判所で行うかが、貸主の有利にも不利にもなるからです。
(注)上記条文はあくまで、本契約において規定しておくべき条項を例示したに過ぎません。この条文だけで、仮登記契約が十分であるということではありませんのでご注意ください!
以上の条文に加え、個別事由に応じて、内容を付加することとなります。
 例えば、契約の目的物や契約の条件等に応じて、表として提示することもあります。また、一般に規定される条項と異なり、特殊な条件をつけることもありますし、総代理店に近い内容とする場合もあります。

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