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抵当権設定契約書     戻る<<

 根抵当権とは、一定の範囲に属する複数の債権を極度額の限度において担保する抵当権をいいます。
根抵当権設定契約書に記載すべき最低限度の記載事項としては、@設定を行なうべき不動産A被担保債権の範囲B債務者C極度額。また、確定期日の定めがあるときは、その旨も規定しておく必要があります。
金融機関と企業間などの継続的に取引が行なわれる当事者間で設定されることが多く、最初に根抵当権の設定登記をすれば新たに、債務が発生するたびに登記する必要がない点で便利です。
また、債権者、抵当権者にとり、有利な条項を盛り込んでおくことがポイントとなります。
第○条
  (目的)
※契約の目的を明示する。
   契約の目的を示し、金銭債務を担保するために、契約内容を明示する
 @極度額、A被担保債権の範囲、B債務者、C極度額、D確定期日の定め
 不動産の表示し特定する。
第○条
  (抵当権設定登記義務)
  抵当権設定のためには、登記義務者及び登記権利者の二つの立場に別れますが、抵当権設定契約においては、明文で抵当権設定における協力義務を明記することが必要となります。
第○条(被担保の範囲
変更に関する合意
 被担保債権の範囲、極度額、一部譲渡、全部譲渡、確定期日の変更
第○条(抵当物件調査)
抵当権を設定するに当たり、抵当目的物の価格や状態等について、調査報告をすることをしておくことがトラブル及び担保権を確保するために必要です。そのために、契約当事者は互いに協力する義務をおうことを明記しておくことが必要です。
第○条(禁止事項)
  本件根抵当権設定目的不動産について現状を変更することを禁止します。
第三者に対して、抵当権設定をしてはならないものと規定しておくことが必要です。
第○条(使用収益) 抵当目的物の一部を売却、賃貸、消費貸借その他、現状の変更をする場合には、予め債権者の同意を得るための規定を定めておきましょう。
第○条(通知義務)
担保目的物の滅失毀損がないよう保全義務を規定することとなります。また、担保を保全できない状態となりかねない危険があるときには、債権者に対して、通知をする義務を有することとなります。
第○条(増担保・仮担保) 増担保・仮担保の請求した場合には、債務の全部又は一部を弁済することとなります。
第○条(期限の利益喪失)
 弁済期の期限の利益を喪失する場合を列挙しておくことが必要です。この列挙事由から、漏れのないように列挙事由を工夫しておくことが必要です。この期限の利益喪失事由に列挙されていない場合には、他の債権者からの債権回収との間で劣後してしまう可能性が生じてしまうからです。
第○条(任意処分)
 競売手続きによることなく、任意に処分して、弁済充当を行なうこととすることがあります。また、任意処分をしても、残債務が残る場合には、約定により当然に残債務の返済を求めることの規定を設けることができます。これは、抵当権を設定した目的物を任意に処分して残債務に充当する場合においては、すでに債務について履行期が到来しているため、抵当目的物の処分が必要となっている時期にあります。その場合には、履行期の到来により、債務の全額について履行期が到来してしまうことが期限の利益喪失が生じているのが通常であるため、残債務も当然に請求できる状況となっている場合が多いからです。
第○条(火災保険)
火災保険について、本件担保物件に対して、債務全額が完済されるまで火災保険の加入を継続することとして、抵当目的物の滅失毀損により被担保債権の弁済が困難となることを担保することとします。
また、火災保険金については、債権質を設定しておくことが望ましいでしょう。
第○条(費用負担)
契約費用、根抵当権設定のための登記申請費用、根抵当権の抹消のための費用、根抵当権変更登記費用、不動産調査費用等の費用負担。
第○条(協議)
協議は必ず、明文で規定しておきましょう。日本では、訴訟を好まない国であるため、お互いの協議で終結する場合には、あえて裁判上の請求等をする必要がないからです。訴訟経済上も望ましいといえます。
第○条(合意管轄)
貸主又は借主のいずれかの所在地を管轄する裁判所を管轄裁判所といいます。管轄がどこかにより、仮に裁判上の請求をする場合において、どこの裁判所で行うかが、貸主の有利にも不利にもなるからです。
(注)上記条文はあくまで、本契約において規定しておくべき条項を例示したに過ぎません。この条文だけで、根抵当権設定契約が十分であるということではありませんのでご注意ください!
以上の条文に加え、個別事由に応じて、内容を付加することとなります。
 例えば、契約の目的物や契約の条件等に応じて、表として提示することもあります。また、一般に規定される条項と異なり、特殊な条件をつけることもありますし、総代理店に近い内容とする場合もあります。

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