遺言相続
遺言相続
貴方は、遺される親族のことを真剣に考えていますか? 
…相続は突然やって来ます。
賢い遺言書の作成は相続争いを防止します!
今井法務行政書士
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間違いだらけの遺言相続知識
よくある間違った遺言相続知識の解答編
NO
正誤
   解説
問題へ
1   × 遺言にした場合を除き、他に相続人がいない場合に限られます。 NO1
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具体例  今回の登場人物
遺言相続 ○死亡した夫A(交通事故で予期せず死亡・享年21歳)
○妻B(現在20歳・子供なし)
○Aの直系尊属
  父C 母D(40歳代そこそこ、花の働き盛り)
  父Cの両親(祖父C’ 祖母c”)(そろそろ退職)
  母Dの両親(祖父D’ 祖母D”)(既に退職し第二の人生)
○Aの兄弟姉妹
  兄x(双子の兄) 妹y(20歳・結婚一年目)
○Aの兄弟姉妹の子
  兄xの子x’(甥)  妹yの子y’(姪)
遺言相続 まず配偶者Bには必ず相続権があります。

遺言相続 子供がいない夫婦のAが、Aの父C、母D(義理の父母はちゃうで!)が生存していれば、配偶者Bのみならず、父母C、Dも相続人となります。

遺言相続 また、父C母Dがいない場合には、亡くなった者の祖父母C’C”D’D”が生存していれば、配偶者Bとともに、祖父母C’C”D’D”も相続人となります。

遺言相続 さらに、父母、祖父母がすでに死んでいる場合には、亡くなった者の父母の子供すなわち亡くなった者の兄弟姉妹x、yがいれば、配偶者Bと兄弟姉妹x、yが相続します。

遺言相続 また、兄弟姉妹がすでに死んでいた場合でも、兄弟姉妹の子x’y’が生きていれば、亡くなった者の配偶者と兄弟姉妹の子とが相続することになります。(法定相続分は、こちらを参照)



2   × そんな相続のさせ方なんてできません!その遺言は無駄です。 NO2
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具体例  今回の登場人物
遺言相続 ○遺言者本人A(享年68歳・夫、定年後癌で倒れる)
○その妻B(現在64歳、専業主婦)
○息子C(現在、引きこもり状態で定職なし)
  BとCの間は親子にも関わらず、仲が悪い…
Aには、財産らしい財産はないがローンを完済した土地と持ち家がある。
Aは、Bの老後と息子Cの行く末を考え、一階に妻を、二階を息子に相続させようとした。
遺言相続 建物は、不動産として、登記簿上一筆二筆と数えます。

そして、マンション等の○○号室のように、それぞれ独立した不動産として登記ができる場合(区分所有権という)と異なり、持ち家は通常一筆の建物として、一部だけを、分けて登記すること(分筆登記という)ができません。
 したがって、一個の建物の二階のみを息子に相続させ、二階部分のみの所有権を息子に移転させることは、登記できないためできません

すると、設問の遺言は、その部分が無効となり、結局、持ち家部分について、BC間で骨肉の争いが生じるおそれがあります。

遺言相続 これを防止し、遺言者Aの希望を実現するためには、遺言書で、家を妻に相続させた上で二階部分について息子に使用させる旨の使用貸借の負担をつける等内容の遺言を盛り込むことにより対応することになります。



3   × 甥や姪にも、相続権はあります。 NO3
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具体例  今回の登場人物
遺言相続 ○夫・イサム(46歳で過労死) 
○妻・ノリコ 主婦(44歳)
○イサムとノリコの間に、子供生まれず悩んでいた。
○イサムの父母、祖父母共に、既に他界(共に病死)
○イサムの兄弟姉妹 兄がいたが、すでに病死
 兄にはその子コウタ(甥っ子)・ヒメ(姪っ子)がいる。
遺言相続 ①イサムの遺言書がない場合
   コウタ、ヒメは、自分も相続人として法定相続分(それぞれ1/8)を
   主張できる。
遺言相続 ②遺言書を書く場合
   イサムが「妻に全財産を相続させる」と遺言書に記載すれば、妻
   ノリコが遺言どおりすべて相続する。
   この場合に、コウタ、ヒメは、自分に相続人としての権利を主張す
   ることはできません。

   遺言が有る場合には、遺言により、どの財産を誰が取得するか
   を指定できます。
遺言相続 ただ、この指定によって、遺族の生活が苦しくならないように、法
   律上で、特定の範囲の遺族に相続財産の取り分を主張すること
   ができるようになっています。この権利を遺留分といいます。

遺言相続 これは、相続人となることができる相続権と異なります。すなわち
   一般的には、甥や姪は相続人となりえても、遺言者と生活が別で
   あることが通常であるため、遺留分を主張することができる立場
   にないといえます。

遺言相続 したがって、イサムが、妻に全財産を相続させたいと思うのであ
   れば、万が一の場合に備えて、遺言書に妻へ「一切の財産を相
   続させる」と記載しておく
ことが必ず必要です。
   このようにすれば、甥コウタや姪ヒメと妻ノリコ、相続財産を狙っ
   て揉めることがなくなります。



4   × 兄弟姉妹は、遺留分を主張して相続財産を取得できない。 NO4
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具体例  今回の登場人物
遺言相続 ○夫・ゾウセキ(80歳、作家、肺炎が原因で病死)
○妻・○○
○父母死亡、祖父母死亡
○ゾウセキの弟・ショウセキ(68歳・酒飲みのごくつぶし)
○相続財産は、夫婦で住んでいたマンションのみ。

妻○○が夫の遺言書に基づいて全財産を相続したところ、夫の弟ショウセキから、自分にも兄の財産を相続する権利があるとして、相続財産の一部をよこせと言ってきた。妻○○は、相続財産を分けるためには、自分の住んでいるマンションを売るしかないと悩んでいる。

遺言相続 確かに、兄弟姉妹は、法律上、子や父母等がいない場合に、第三順位の相続人となる地位にあります。

したがって、遺言で、相続財産を誰にどのように与えるかなど定めていない相続財産については、兄弟姉妹にも、相続する権利を主張することができる場合があります。
今回の事例では、遺言で相続財産の処分を書いていない限り、ごくつぶしの弟・ショウセキも相続権を主張することができることになります。

遺言相続 しかし、これでは、妻は住んでいるマンションを売らなければ、ショウセキが主張する相続分を与えることができなくなり、妻は宿なしになりかねませんし、高齢のため、今後の生活にも不安が残ります。

遺言相続 そこで、ショウセキのような笑う相続人を作らないためにも、必ず遺言書で「妻○○へ一切の財産を相続させる」旨の指定をしておきましょう。

遺言によって、相続財産を誰に相続させるか、又は譲るか等の指定ができます。この指定がなされると、たとえ相続権が法律上ある兄弟姉妹であっても、法律上定められた相続分の取得を主張することはできません。

遺言相続 ただ、
ここで、ショウセキは、知恵を働かせて、以前何かの本で読んだ相続知識の中に、遺留分という権利を主張できると書いてあったことを思い出し、遺留分が自分にもあると主張することもあるでしょう。

遺言相続 しかし、真に受けないでください。たとえ、相続権のある兄弟姉妹であっても遺留分はありません。

遺留分を主張できる者(遺留分権利者)と法律により相続人となりうる者(法定相続人)の範囲は異なります。

被相続人の兄弟姉妹は遺留分権利者ではありません。N03の解説で述べたように、兄弟姉妹は通常生活を別にしているため、残される遺族の生活を守るという趣旨からでた遺留分権利の主張は認めらる必要がないからです。

遺言相続 したがって、このような事例の場合には、無駄な相続争いを生じさせないためにも、遺言書に必ず、残された遺族の生活への影響を考えて、相続財産の処分の方法を具体的に記載しておきましょう!
 



5   × 息子が死亡した場合には、その息子の子(孫)が相続できる。 NO5
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具体例  今回の登場人物
遺言相続 ○父・マツオガ・ジキ(60歳・バスの運転手)
○母・マツオガ・タツ(すでに5年前に病死、享年48歳)
○息子・マツオガ・サキ
○息子の妻・マツオガ・アキ
○息子の子・マツオガ・イツキ

息子夫婦は、父ザキ所有の持ち家に同居中。
一家で海外旅行中、飛行機が乱気流に巻き込まれ、墜落炎上。
父ジキ死亡、息子サキ死亡、妻アキ・奇跡的に助かるも、下半身不随。息子の子イツキ・奇跡的にかすり傷で助かる。
この場合に、父ジキの財産の相続関係

遺言相続 相続人として相続するためには、相続人となる者が、被相続人の死亡時に生きていることが必要です。

したがって、父ジキが死亡した時に息子サキが生きていれば、サキは相続人として、マツオガ・ジキの財産の家屋を相続することになります。

遺言相続 今回の事例の場合、飛行機事故で、父と息子が死亡しているので、父ザキが先に死亡したことが明らかであれば(…墜落時に父ザキが死亡したとの息子サキの手記があったとか、父ザキ息子サキが病院に搬送されたが搬送先で父ザキの方が先に死亡したといった事情があったなど…)、息子サキが父の財産である家屋を相続します。

そして、その後、息子サキが死亡したことにより、父ザキの財産(家屋等)を相続した息子サキの地位を、サキの妻アキと子イツキが共に相続することになります。

遺言相続 これに対して、息子サキが父ザキより先に死亡していた場合や父・息子のどちらが先に死亡したか不明な場合には、上の原則が該当しません。

まず、息子サキが先に死亡していた場合には、ザキの死亡時に息子サキが生きていませんので、死亡している息子サキは、父ザキの財産(家屋等)を相続することはなくなります。
とすると、息子サキの子イツキは、自分の父であるサキの地位を相続するに過ぎないので、祖父母にあたるザキの財産を相続することはないことになるはずです。

しかし、法律上、相続人となりうる者が被相続人よりも先に死亡した場合には、相続人となりうる者に子がいれば、その子(被相続人からすれば孫)が直接に相続人となりうる者の地位を相続することとされています。
これを、代襲相続といいます。
すなわち、息子が先に死亡した場合には、息子の相続分について、その子が相続することになります。

この場合には、息子サキは既に死んでいますので、息子サキ自身が相続できないことは変りません。しかし、息子サキが相続できるはずであった相続分(本問では家屋等)を直接ジキから相続することになります。

遺言相続 これに対して、サキが死亡した場合、残された妻アキは、サキの財産を相続することはあっても、父ザキの財産(家屋等)を相続することはありません。
すなわち、父ザキの家屋等は、孫であるイツキだけが相続することになります。

また、父と息子がどちらが先に死亡したか不明な場合には、民法上同時に死亡したものとみなされるという規定があるため、父の死亡時には、相続人となりうる地位にある息子も死亡していると評価されます。
したがって、この場合も、息子が先に死亡している場合と同様な処理となります。

遺言相続 問題なのは、代襲相続が認められるとしても、孫がまだ幼なかったり、相続人となる地位を有する者が多かったり、取り巻く人間関係によって、相続財産をめぐり揉めたり、騙されたりすることが予想されることです。

そこで、不慮の事故があることを前提に、事前に遺言書を準備しておくことをお勧めします。

今回の事例では、海外旅行に行く前には、公正証書遺言が間に合わなければ、自筆証書遺言でかまわないので、万が一の事故で残される遺族のために、書いておきましょう!



6   × 認知した以上、相続人となります。 NO6
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具体例  今回の登場人物
遺言相続 ○父・オオイズミ・ジュンジロウ 大物代議士 頑固オヤジ 
                    享年52歳 過労死
○妻・ショウコ(48歳)
○息子・小次郎(28歳)
○愛人との間に、ジュンザブロウ(13歳)あり

ジュンジロウは、認知していたが、代議士となる際、致命傷となることを憂慮して、認知した子に手切れ金を渡し、今後、自分とは縁を切ることを約束。
その後、ジュンジロウ死亡。
相続に関し、ジュンザブロウが相続分を渡せと乗り込んできた。    

遺言相続 認知した場合には、法律上、父子関係が有ることになります。

これは、認知した子に手切れ金を渡したか、戸籍に載っていないか否かに関わりません。

したがって、相続人となることに変わりなく、ジュンザブロウの主張も認められるでしょう。

ただし、認知されたに過ぎず、法律婚から生まれた嫡出子ではありません。なので、遺言がなければ、法律上、非嫡出子として、相続分は嫡出子の1/2となります。

遺言相続 認知した子がいる場合には、どういう約束をしたにしろ、必ず、遺言書を書き、何をどのように相続させるかを明記しましょう。
嫡出子である小次郎や正妻のショウコと愛人の子ジュンジロウの間には必ずといっていいほど、相続争いが生じるからです。

遺言相続 遺言で、愛人の子ジュンジロウに財産を相続させる場合には、必ず、その理由を一言書いておきましょう。その文言には法律的な効力はありませんが、相続人間の争いを未然に防ぐ可能性があるからです。

相続財産の配分に配慮することは当然ですが、その相続財産の長期的運営の観点からも相続人が納得いきやすい様、分けておくことが必要でしょう。
例えば、アパート所有の場合には、毎月利益が上がり、安定的な収入が上げられます。優良株など株式の運用利益等は通常の預金以上の利益があります(但しハイリスク、ハイリターンだが)。同じような地形の土地でも、場所等により、将来上げられる財産的価値が異なります。)

遺言相続 また、認知自体を正妻等が知らない場合には、認知自体が争われることになりかねません。そこで、認知した場合には、相続人であることを示す謄本等公的文書を、遺言者の方で準備しておきましょう。

遺言相続 認知した子に相続させたくない場合には、遺言書で全財産について誰に何を相続させるかを明記した上で、認知した子に遺留分を事前に放棄する手続きをとりましょう。但し、正当な理由がなければ、遺留分の事前放棄はできません。

そこで、この場合には、遺留分を事実上放棄せざるを得ないような財産があったり、相続させても相続人間で争いが起こらないような財産があれば、「認知された子に~を相続させる。相続する意思がない場合には、速やかに相続放棄をすること。」の旨を遺言書に書きましょう。

このような場合には、相続争いまで生じないか、認知した子が、そのような財産を相続しても意味がないとして、相続放棄をすることが考えられるからです。またこのように遺言で、遺留分に相当する割合の相続を記載していれば、遺留分を主張する(遺留分減殺請求という)ことはありません。



7   × 「放棄する」と約束しても、相続開始後になってなお相続権を主張できる。 NO7
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具体例  今回の登場人物
遺言相続 ○夫トコトミ・ヒデコシ(胃がんのため死去 享年61歳)
○妻ネネコ
○息子ヒテヨリ
○養子 ゴウヒメコ

トコトミ・ヒデコシが生前に、養女ゴウヒメコに、相続権を放棄するよう伝え、念書を作成させる。その相続権放棄の事実をヒデコシは、遺言書に書いた。
遺言相続 法律上、被相続人が死亡する前に相続権をに放棄すること(相続放棄)はできません。

ですから、ヒデコシの生前に、ヒデコシとゴウヒメコの間で、ゴウヒメコの相続権を放棄する約束を交わし念書を作成して、遺言書で相続人の1人が相続放棄したことを示しても、法律上なんら効果はありません。

したがって、ゴウヒメコは、ヒデコシの死去に伴って、自分に相続権があることを理由に、遺産を相続することができます。

遺言相続 ただ、被相続人が死亡した後に、相続を放棄することは認められています。
そこで、事実上の問題として死亡後の相続放棄の手続きをスムーズに行い、無駄な相続争いを生じさせないためにも、被相続人の生前において死後に相続放棄することについて納得了解を得ておくことも無駄なことではありません。

ちなみに、本問では、ゴウヒメコは養女であるため、ヒデコシが生前に、離縁していれば、相続人とならないため、相続放棄の問題に関係なく、相続できません。



8   × 遺言書は遺産の多いか少ないかに関わらず、かならず作成すべし! NO8
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具体例 今回の登場人物
遺言相続 ○夫 のびた (享年45歳、 職業サラリーマン 突然死)
○妻 しずこ  (45歳、 やり手デザイナー)
○息子 のびお(22歳・学生) しずお(20歳・フリーター)

のびたには、預貯金として100万円があるのみ。マンション・車等すべて、妻しずこの所有。 
息子のびおは、のびたの生前に、50万円借りていた。
預貯金100万円に関しての相続問題発生。
遺言相続 相続争いは財産の多寡に関係なく起きるものです。たとえ全100万円でもそれが、汗水たらして働かずに手に入るとなると、人は自分のものにしたくなるのが人間の悲しい性です。

今回の事例では、預貯金の相続について、問題となりますが、単純に考えれば、預貯金100万円を、遺産分割手続きによりしずこ、のびお、しずおが相続することになるはずです。
しかし、のびおに50万円を貸していた場合には、相続分が異なってくるばかりか、相続人間で、預貯金のいくらをもらうかで争いが生じます。
遺言相続 特に、マイホームがあるだけという場合で、子供が複数いる場合には、遺産争いが起きやすくなります。マイホームなど不動産は、分筆できない一筆の不動産は、分けることができないからです。
ネコの額のような不動産の相続をめぐって、子供の間で骨肉の争いが起きていることはしばしば見受けられます。

また、全く不動産等がなくとも、死亡した場合など葬儀費用等の捻出をどうするかなどの問題が必ず生じます。葬儀費用は、場合によっては、数百万円もする場合もあります。残される遺族のためにも、葬儀等のことを考えた遺言書を作成しておく必要があります。



9   × 遺言書を一旦作成しても、撤回や取り消しは自由にできます。 NO9
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具体例  今回の登場人物
遺言相続 ○夫 たて まさみね(現在46歳、不動産経営・社長)
○妻 たて あいこ(現在40歳 社長婦人) 
○息子 たたみね(現在 25歳 不動産経営・専務)

夫まさみねは、万が一の時に備え生前から、自筆証書遺言を作成していた。
ところが、息子に相続させるはずだったある不動産がバブルの崩壊により下落し始めたため、その全部処分すべく遺言書の一部を書き直した。
この場合に以前の遺言書はどうなる?
遺言相続 遺言書は一度作っても、撤回や取り消し、内容の変更は可能です。
遺言書を作成後に、相続財産の対象が増減することはしばしばあることですし、遺産を遺したいと思う相続人の範囲も、被相続人の心情や、相続人の行動から往々にして変化するものです。
遺言相続 遺言書の撤回や取り消しの方法には以下のものがあります。

遺言相続 ①自筆証書遺言の場合には、変更等の手続きは、加字訂正したり、自ら書き直すだけで足りるので容易にできます(遺言書の書き方に注意)。
ただし、加字、訂正等によると、遺言書の変造等がなされる恐れもありますし、要式が不十分となる場合もありますので、できれば、新たな内容の遺言書を作成しておくことをお勧めします。

遺言相続 ②また、遺言書の内容の撤回や取り消し等に関しても、遺言書を書き直せば、必然的に新しい遺言書と矛盾する内容の古い遺言書は撤回や取り消されたこととなります。この場合には、遺言書作成上、作成した日付を遺言上に明確に記載することに気をつけましょう。

そして、古い遺言書を破棄しなくても、新しい遺言書作成は有効です。
しかし、相続時に遺言書が複数あれば、混乱が生じるもととなったり、相続において利害関係を有する人に付け入られ相続争いを生じてしまう原因を作ってしまうおそれもありあす。
そこで、自筆遺言証書を書き直した場合には古い遺言書は必ず破棄しましょう。

遺言相続 ③公正証書遺言を作成した場合には、手元に遺言書の謄本がある場合に、それを破棄しても、公正証書遺言の内容が撤回や取り消されることにはなりません。
公正証書遺言においては、必ず新しい公正証書遺言を作成しましょう。



10   × 遺言書を作成した後でも、遺産を処分することができる。 NO10
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具体例  今回の登場人物
遺言相続 ○夫 カブヤ 勝男(現在46歳、職業デイトレイダー)
○妻 カブヤ 勝子(現在40歳 副業アフィリエイター) 
○息子 公男(現在 25歳 公務員)

夫勝男は、現在、癌に侵され、余命1年と医者から宣告された。そこで、勝男は、とりあえず自筆証書遺言を作成していた。
ところが、相続させるはずだったライフウインドウ株が下落し始めたため、株を全部処分した。
この場合に以前の遺言書はどうなる?
遺言相続 遺言で処分を決めても、遺言書の内容は、死亡により効力を発生するのであるにすぎません。
そのため、未だ生前に、自己の財産を消費する必要等が生じた場合には、当然のごとく、処分をすることができます。

今回の事例では、カブヤ 勝男の所有するライフウインドウ株が大幅に下落し始めたため、所有しておくだけ無駄だと考え処分することも認められます。
遺言相続 これにより、以前に作成していた遺言書の息子に同株を相続させる旨の文言は無効となります。

遺言相続 ただし、その場合には、遺言書の内容の相続財産の範囲が異なることになるため、遺言書を作り直しておかないと、無駄な財産争いを生じさせてしまうおそれがあります。

財産を生前処分する場合など、相続財産の範囲が変わる場合や、遺言相続の内容を決定した時から周囲の状況が変わっている場合には、こまめに遺言書の内容を見直しておきましょう。



11   × 遺産分割協議書を生前に作成しても、遺言は必ず残すべし! NO11
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具体例  今回の登場人物
遺言相続 ○夫 金成 万蔵(享年60歳、会社経営、
            持病の糖尿病にて死去)
○妻 金成 億溜(48歳 今流行のセレブ社長婦人、)
○息子 千増 (20歳 大学生)  
○娘  兆子  (先妻の子 25歳・ブティック経営)

金成 万蔵 は、持病の糖尿病が悪化、自分の死後の会社経営や、所有マンション等不動産の運営等に関して、息子と娘間の仲が悪いため、相続争いが起こることを心配し、生前に、家族会議をし、遺産分割協議書を作成していた。
遺言相続 遺産分割協議書とは、本人(金成万蔵)が死亡した後、相続人間で、誰がなにを相続するかということにつき協議をした内容を文書にしたものです。

そのため、生前に、遺産分割協議書を作成していても、事実上のものに過ぎません。
法律上は、どのように財産を分けるかを明記した遺言書がない限り、本人(金成万蔵)が死亡した後に、遺産について相続人間の協議して遺産分割協議書を作成する必要があります。

遺言相続 その場合には、生前に遺産分割協議書を作成させていた場合であっても、遺族の取り巻く環境の変化から、遺産分割協議がまとまらず、相続争いにいたる可能性があります。

そこで、相続争いを防止するためには、たとえ遺産分割協議書を生前に作成していた場合であっても、なお、遺言書を作成しておくことが必要です。
遺産分割協議書を作成しているのであれば、それに基づいた内容を元に、明記した遺言書を作成しておくことがよいでしょう。
遺言相続 また、相続争いを生じさせないためには、生前に作成した遺言分割協議書の内容に沿った遺言書を作成する場合に、相続人に、遺言分割協議書の内容に従うことを条件に特定の財産を相続させる旨の文言も一言入れておくのも、相続する状況に応じては効果があります。



12   × 公正証書遺言を除き、他の遺言書は、必ず検認手続が必要! NO12
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具体例  今回の登場人物
遺言相続 ○夫オモイ ヤリオ(60歳、脳梗塞で倒れるも、幸い一命をと             りとめたが、体の左半分の機能の低下              あり。現在リハビリ中)
○妻オモイ タエコ(59歳、夫の看病のため倒れる。
            現在療養中。)
○子供なし
○ヤリオの弟・オモイ ナシオ(55歳)

夫ヤリオは、妻タエコのことを考え、自筆証書遺言を作成した。自筆証書遺言が執行されるためには、自ら書いたか否か等のチェックをする検認手続が必要になることを知った。
そこで、ヤリオは、脳梗塞を患い、体の左半分の機能が低下した状況を憂慮し、自らの意思の元で、自ら書いたことを明らかにしておけば、検認手続などという面倒な手続きをする必要はないと考えていた。
遺言相続 自筆証書遺言が有効であるためには、被相続人の死亡後に、遺言書について家庭裁判所の検認手続きを経ることが必要です。

遺言相続 検認とは、遺言書の保存を確実にして、遺言内容が自己にとって不都合な者などから、後日、遺言書が変造されたり、隠されたりすることを防ぐためのいわば証拠保全の手続きです。
すなわち、遺言者自身が自らの意思で書いたものか否かや遺言として有効か否かは、検認手続で判定するものではありません。
ですから、いかに夫ヤリオが、自分の意思で自ら書いたことを明らかにしていたとしても、検認手続の目的は別にある以上、省略されることはありません。
遺言相続 検認手続においては、どのような用紙何枚に、どのような筆記用具で、どのようなことが書かれ、日付、署名、㊞はどのようになっているか等を記録し、検認調書に記載し、コピーをとっておきます。

いかに自筆であることが明らかであっても、家庭裁判所の検認手続きを経なければ遺言の執行をすることができません。
遺言相続 この検認を怠ると、5万円以下の過料に処されます。
遺言相続 もっとも、検認手続きを経ずに、遺言書が見つかった時に、思わず封を開けてしまっても、遺言自体は無効となりません。
 以上の手続きを経ない限り、勝手に、遺言に基づいて相続することはできません。



13   × 「譲渡する」×、「遺贈する」又は「死亡したら贈与する」などの文句を使う! NO13
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具体例  今回の登場人物
遺言相続 ○夫・カワベタ ヤスノリ(享年50歳、劇作家、伊豆にて死去)
○妻・カワベタ・ヤスコ(40歳・旅館の従業員)
○息子カワベタ・ノリオ(19歳・学生 文学部 日本文学専攻)

カワベタヤスノリは、自分の功績をたたえた財団法人カワベタに、新作の売り上げを寄付をすることに決めた。
この場合の遺言書の書き方は?
遺言相続 遺言書の内容において、「譲渡する」とは、財産を譲るとも日本語としては読めてしまいがちです。

しかし、法律上、「譲渡する」とは、物を売り渡すなどのように、代金と引き換えに、当該物を渡すといったいわゆる有償の契約を意味します。
 したがって、遺言者本人は、タダで相続財産を与えるという意味内容で遺言を書いている場合でも、代金を貰って財産をゆずるということを意味することになります。
タダで相続財産を、与える場合には、「遺贈する」、単に「譲る」とか「死亡したら、○○を贈与する」との文言を使う。
遺言相続 こういった誤った法律用語を使うことは、新たな相続争いを生じさせる火種となりかねません。  
 そこで、遺言書に使用する語句に関しては、法律用語をよく理解したうえで、慎重に使用することが必要です。
 もし、法律用語の用い方等が分からないのであれば、遺言書の下書き等をしたうえで遺言相続の専門家に見てもらいましょう
遺言相続 また、貴方が相続させたいと思っている方法や人が、法律上誤っていることがしばしば見受けられます。

不安であれば、遺言相続の専門家に、聞くことをお勧めします。
当事務所も、遺言書の作成に関し、遺言書作成の添削等をしております。お気軽にお問い合わせください。



14   × 夫婦二人が共同で遺言書を作ることはできない。 NO14
戻る
具体例  今回の登場人物
遺言相続 ○夫 おた のぶなか(享年48歳、会社社長)
○妻 おた のうひめこ(享年40歳、政略結婚)
○娘 ・ひでこ(15歳) ・認知された子 とくこ、のふたた
○父 さいとう どうじ(60歳、美濃の方の土地の有力者)

夫のぶなかと妻のうひめこは、海外旅行へ行く前に、万が一のことに供えて、二人で一通の遺言書を、ひでこのために残していた。
案の定、旅行先の宿泊先が、テロにより爆破炎上し、ともに死亡。
遺言相続 夫婦二人が共同して遺言書を一通作成することは法律上禁止されています。
遺言の内容によっては相続関係が複雑になるからです。
したがって、今回の夫のぶなかと妻のうひめこが共同して作成した遺言書は無効となります。
その結果、二人の財産については、子供の間、すなわち、ひでこ、とくこ、のふたたの間でどの財産を相続するか遺産分割協議して遺産を分割することになり、相続争いを原因を生じる恐れがあります。
遺言相続 ただ、同一の封筒に入れている場合であっても、それぞれの遺言書が別々に書かれていることが明らかな場合には、例外的に有効となる場合もあります。例えば、同一の封筒に入っている場合でも、遺言書の内容を夫のぶなかの財産と妻のうひめこの財産を区別したうえで、別々に相続財産の処分を書いている場合などがあります。
  しかし、共同して遺言することは、別々に分けてあると思っていても、相続財産の関係が錯綜し、相続争いの原因をつくりかねませんから、そのような形での遺言書の作成はお勧めしません。必ず、別々の遺言書を作成しましょう。



15   × 養子となっても、なお実親の相続人となりうる。 NO15
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具体例  今回の登場人物
遺言相続 ○養父 カツイエ(現在38歳)
○養子 淀子(現在10歳)
○実親 フカイ ナガマサ(享年28歳 裏切られ殺害される)

フカイ ナガマサの実子である淀子を、カツイエの養女とする養子縁組をする。
  
遺言相続 養子縁組をして、養子にでた場合であっても、実親子関係まで、消滅させるものではありません。
したがって、養子となった子(淀子)にも、実親が死亡した場合(フカイ ナガマサ)には、実親の法定相続人となります。養子縁組の制度は、

実親(フカイ ナガマサ)としては、遺言書に残さなくても、淀子は相続人になりますが、他の相続人との関係で相続争いの渦中に巻き込まれる恐れがあります。
そこで、遺言書で、養子に出した子(淀子)がいる(名前、所在等を明記)こと、養子にださなければならなかった事情を端的に書き、相続させることについて、他の相続人の理解を求めるようにしておくことが必要です。

遺言相続 もっとも、特別養子縁組をした場合には、幼い子の保護のため、実親子関係も終了することになります。
この場合には、特別養子縁組をした養子は、実親の相続権を失うことになります。
そして、特別養子縁組ができるためには、養子の対象が原則6歳以下の子である等の一定の法律上の要件が備わっていることが必要となります。




16   × 婚姻届を提出していない以上、事実上婚姻していても、夫婦の一方は他方を相続できない。 NO16
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具体例  今回の登場人物
遺言相続 ○夫 ドウナイ (享年30歳、職人 事故死)
○妻 セイエン (現在25歳 OL)
共に再婚同士のため、結婚式を挙げたが、お互いに初婚の時の反省から、しばらく籍を入れないことを約束していた。
結婚から2年経って、3ヶ月後に子供が生まれることになり、その時に入籍を届けることに決めていた矢先に、夫ドウナイが、不慮の事故で死亡。
遺言相続 法律上、相続人となる配偶者は、法律婚すなわち婚姻の意思のみならず、婚姻届がなされている夫婦関係にあることが必要です。

したがって、婚姻届を出していない場合には、事実上夫婦であっても、法律上は内縁関係にあるにすぎません。
そのため、婚姻届けを出していなければ、妻セイエンは夫ドウナイの相続人とはなりません。
遺言相続 そこで、遺言で財産を内縁の妻(セイエン)に遺贈する旨の記載がなければ、同居している遺言者(ドウナイ)所有の建物も、その妻が相続することができなくなります。
遺言相続 自己が死亡後に、妻の生活を心配するのであれば、万が一のことを考え、遺言書で「内縁の妻に当該家屋等(相続財産を特定しておく)を遺贈する」といった文言を必ず入れましょう。



17   × 妻の連れ子には、養子縁組をしない限り、相続権はない。 NO17
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具体例  今回の登場人物
遺言相続 ○夫・イニシャル I (職業・うれない俳優、享年58歳)
○妻・イニシャル Y (職業・スタイリスト 33歳)
共にバツイチ同士。
仕事が縁で、意気投合し再婚。
妻Yには、先夫との間に、息子 とらのすけ あり。
夫 (芸名 I) は、映画のスタント中に不慮の事故死。
妻Yの連れ子 とらのすけ も、夫Iの財産を相続するか?
遺言相続 再婚した夫婦の一方(Yの連れ子(とらのすけ)は、IとYが婚姻しても、他方配偶者(俳優I)とは法律上親子関係にありません

したがって相続関係においても、連れ子(とらのすけ)には、他方配偶者(俳優I)の財産について相続権がありません
遺言相続 もし、その連れ子にも、財産を与えたいと思うのであれば、俳優Iが遺言書の中で「その子(とらのすけ)に一部財産(特定の財産を指定して)を遺贈する」という書き方をすることが必要です。
遺言相続 また、連れ子(とらのすけ)を俳優Iの養子として養子縁組をしておけば、養子として相続権が認められるようになります、

 ただし、養子をした場合は、他に実子がいたり、他の血縁関係の親族がいると、往々にして相続につきもめる原因となりますので、ちゃんと遺言書を作成し、相続争いが生じないようにしておくことが必要です。
遺言書には、養子に何を相続させるかを明記すると共に、そのような相続を養子にさせる理由につき一言書き、他の相続人に理解を求める形の書き方をしておきましょう。




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