不倫の慰謝料請求の対象となる不貞行為とは

不倫相談

不倫や浮気のメルクマールは、法律上不貞行為の有無とされています。配偶者の気持からすれば、手をつないでデートをしただけでも不倫だ不貞行為があったと考える方も多くいらっしゃいます。

しかし、不倫の慰謝料の請求をする場合において、法律上の請求権として、慰謝料を請求できるためには、民法上の不法行為(民法709条・710条)の要件を満たすことが必要となります。

そして、不法行為に該当するためには、権利侵害行為があること、すなわち、不倫の場合には、配偶者の貞操権侵害と言われるだけの「不貞行為の存在」が必要です。そこで、ここにいう不貞行為は何でしょうか?

不貞行為とは・・・具体例

慰謝料の請求の前提としての不貞行為になるかについて、相談やお問合せ、争いになる点がありますが、具体例は下記のようなものがあります。

異性とデートをした場合 不貞行為×・・デートだけだと性行為がないため。但し、デートが頻繁で家庭を顧みない場合、例えば土日に一日中デートするなど、子どもや家庭を顧みない場合には夫婦の平穏な生活を害したとして示談金等の支払いが問題となるケースがあります。
相手方とキスをした場合 不貞行為×・・キスだけでは性的関係にあたらない。キスをしているところを写真にとられたりした場合には、他の証拠と相まって、不貞行為が推定される場合があります。
相手方とお忍びで旅行に入った場合 不貞行為△・・旅行先での泊まりのため、泊まりの状況による。泊まったホテルがビジネスホテルで、別々の部屋であった場合などでは、仲間うちでの旅行などとして不貞行為が否定されるケースが多い。 これに対して、宿泊した部屋が一緒の部屋でダブルなどの場合には、不貞行為が推定されるケースが多い。旅館やホテルによっては、宿泊台帳への記帳や、クレジットカードの履歴で判明しるケースも多い。
相手方と手をつないで歩いていた場合 不貞行為×・・恋愛感情があって手をつないだとしても性行為がないため。交際の一連の証拠として使われる可能性は残る。最近では、異性間の接触が友人感覚で行われるケースもあり、それ自体での不貞行為の立証は困難。
相手方とラインのやり取りを隠れてやっていた場合 不貞行為×・・ラインをしているだけでは、不貞行為とならない。但し、ラインの内容で過激な内容であったり、性行為をうかがわせる内容がある場合には認められるケースあり。ラインの内容による。性的関係を強く推測させるやり取りがある場合には淵江行為を推定される可能性がある。中には、 単に、仮想現実としての会話を楽しんでいただけと言い訳をするケースがあるが、実際に関係がある場合には、他の証拠と合わせて不貞行為の事実が認定されるケースが多い。 逆に、単に仮想現実の世界で会話を楽しんでいるだけのケースも稀にあるが、被害者と思いこんでいる請求者側からの請求に対して、法的対応をせざるを得なくなり、示談金を 払わなければならなくなるケースもある。
相手方の家に入ってしばらく出てこない場合 不貞行為△・・相手の家に入って二人きりとなったとしても、それだけで不貞行為があったとされるわけではありません。異性の家に上がることは、止むを得ない事由 があったり、話の流れや、友人関係にある場合には、しばしばみられることです。中には、仕事場の同僚で仕事の打ち合わせを家の中でしたというケースもあります。 しかし、それが頻繁であったり、朝まで家にいることが繰り返されているような場合には、他の事情と相まって、不貞行為が推定されることがあります。
相手方とラブホテルへ入った場合 不貞行為○・・相手方とラブホテルに入った場合には、ビジネスホテルとは異なり、性行為があったと推定される。これを覆すことは難しい。実際ホテルに入ったが 一切関係がなかったという事例もあるところ、不貞行為ができない状況にあったことを、納得させるだけの証拠や理由が必要となる場合がある。 例えば、性的不能であって病院で治療をしていて治っていないなどの特殊な事情が必要。
相手方と車の中で抱き合っていた場合 不貞行為○・・車の中で抱き合っていた場合も、性的行為を継続している状況とみられるケースあり。動画で撮影されているケースもあり、否定できないケースが多い。
相手方が同性相手であった場合 不貞行為×・・性的交渉は可能だけれども、本来的には異性間の性的行為、性器の挿入行為を前提とするため。但し、ジェンダーレスの時代になり、同性愛者も、認知されるにつれて 不貞行為と認められる可能性はある。もともと、夫婦間の生活の平穏が保護法益とされているため、平穏を害する行為は、同性同士でも可能と思われる。そのため、婚姻関係が破たんした場合など示談金を 払わなければならなくなるケースもある。
不倫慰謝料

慰謝料の対象となる不貞行為の判断のポイント

不貞行為としての権利侵害行為があったか否かによって慰謝料請求が認められるか否かが異なってきます。

不貞行為

①の不貞行為の事実があるケース

→不貞行為が明らかにある以上、慰謝料請求の権利侵害行為があると評価されるのは当然です。そのため、推定証拠がなくても、相手方が認めている状況や、二人が不倫する現場 を発見した場合(ばったり二人がホテルに入るのを見つけて問いただしたケースなど)などのように、争い無く不貞行為の事実が認められます。

③不貞行為の事実がない場合

不貞行為がない場合で、ただ単に疑わしいほど仲がよいという程度では、不貞行為の事実を認定することはできない状況です。

②不貞行為について推定証拠がある場合

(1)不貞行為があったことは事実だが、それを裏付ける証拠がある場合

肉体関係があってそれを裏付ける証拠として、裸で二人で映っている写真や動画がある場合には直接的証拠のため、事実関係は証拠によって明明白白です。この場合には、事実関係が争いになることはありません。

(2)不貞行為の事実がなかったが、それを推定させる証拠があった場合

ここで一番問題となるのが、不貞行為の事実関係がなかったにも関わらず、性的関係があったかのような証拠があるため、不貞行為がないにも関わらず、その関係を推定され、事実が認められ慰謝料が認められてしまうという可能性です。

たとえば、酔っぱらった勢いでホテルに一緒に入ったが、性的行為はなかった場合や、ラインやメールなどで、あたかも性的関係があったかのようなメールの内容を残しているケースなどがあります。

見る者をして、性的関係があったと信じさせるようなものであった場合に、慰謝料請求を支払わなければならない状況になりかねません。貞操権の侵害自体がない場合でもです。

不貞行為もなく、推定的証拠もない場合

性的関係がない場合には、当然のことながら、慰謝料を支払う法的根拠は一切ありません。また、その事実を推定させるような証拠が一切ない場合には、もちろんです。

ただ、法律上の関係だけでは金銭的請求は割り切れない部分も出てくるのは確かです。

性的関係がなく、それを推定させる証拠がないけれども、度重なる頻繁なデートやメールのやり取りなど、限度を超えるような状況にあったり、社会的地位及び立場などによっては 事実関係がない場合でも、示談等によって、示談金による解決を図るケースも稀にあります。

不倫慰謝料

また、不貞行為の事実の認定をどのように加害者側に認めさせるか、それだけの証拠で、不倫の事実を立証できるかなど

どう認めさせるか、不倫の証拠として決定的なものにさせるかはするかは、経験とその進め方によって決定的に異なってきます。

不倫をしているのは確実なんだけれども、それを相手方に認めさせて証拠としたいとか、慰謝料を請求することができるかどうかわからない微妙なところだけれども 事実があるならば、言い逃れをさせず認めさせて早く解決したい、今手元にある証拠が、不倫の事実を認めさせる証拠として十分なものか見てほしいとかアドバイスが欲しいなど 緊急な対応をお考えの方、お電話やメールで一度ご相談ください。

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